税理士によるコラム
緊急非常事態宣言もひとまず解除になったものの、まだまだ患者の発生は続いています。
3月からの2か月間、法人の経営も個人での経営も大変な期間だったかと思います。
さて、以前我が社のコラムで取り上げていた持続化給付金。
法人の会社が申請する場合は前年の売上と比較して要件にある割合分減少していればいいのですが、個人事業主の方はちょっとした注意があります。
それは兼業されている方で兼業のうち一つが不動産収入である方です。
実は持続化給付金の対象となるのは事業収入だけなのです。
事業収入とは、確定申告の第一表の一番最初にある『事業』という部分で、そこには営業等、農業と書かれています。
つまりそれ以外の収入は持続化給付金の対象にならないのです。
それらの収入を事業の収入と一緒に計算されていらっしゃる方はいませんか?
例えば、事業(営業等や農業)だけで考えたら対象になるのに不動産収入を入れてしまい、それによって減少幅が狭くなり自分は申請できないと思われてしまってはいませんか?
今一度確認してみてはいかがでしょうか。
※画像の丸で囲っているところが申請対象の収入です。
持続化給付金は国への申請はご存じかと思いますが、50%以上の減少でなくてもお住いの県や市でも申請ができる場合があります。
但し、申請できる条件や申請期限等が各地方自治体様々ですので県や市に申請する場合は注意が必要です。
気になる方はお住いの地方自治体にご確認してみてください。
新たに対象となった事業者
①主たる収入を雑所得・給与所得手確定申告した個人事業者。
②2020年1月1日~3月31日までに開業・創業した事業者。
(どちらのケースも収入が50%以上減少していることが条件になります)
給付額は①は最大100万円、②は中小法人等の場合は最大200万円、個人事業者等は最大100万円になります。
ただし、以前より対象だった中小法人事業者や個人事業者よりも要件、提出書類が増えています。
①に当てはまる方
要件(以下の要件をすべて満たす方です)
・雇用契約によらない業務委託契約等に基づく収入であって、雑所得・給与所得として計上されるものを主たる収入として得ており、今後も事業継続する意思がある方。
・今年の対象月の収入が昨年の月平均収入と比べて50%以上減少している。
・2019年以前から、被雇用者又は被扶養者ではない方。
つまり、会社員・パート・アルバイト等の雇用契約ではなく業務委託に基づいた収入で、なおかつ対象月の収入が50%以上減少した国民健康保険証(下記必要書類で必要になります)を持っている方、となります。
もしも、業務委託を主たる収入にしていたとして副業でアルバイト等の雇用契約に基づく収入がある場合は、その部分を差し引いて申請する必要があります。
必要書類
(1)前年分の確定申告書
(2)今年の対象月の収入が分かる書類(売上台帳等)
(3)(1)の収入が、業務委託契約等の事業活動からであることを示す書類
a業務委託等の契約書の写し又は契約があったことを示す申立書
b支払者が発行した支払調書又は源泉徴収票
c支払があったことを示す通帳の写し
※a~cの中からいずれか2を提出(bの源泉徴収票を使用する場合はaとの組み合わせが必須です)
(4)国民健康保険証
(5)振込先口座番号の写し、本人確認書類の写し
事業収入での給付金の申請をするときの必要書類より(3)、(4)の書類が増えていますね。
②に当てはまる方
要件
・創業月~3月の月平均収入と比べ、対象月の収入が50%以上減少している事業者
必要書類
(1)持続化給付金に係る収入等申立て書(中小法人等向け)
税理士が確認した毎月の収入を証明する書類です
(2)通帳の写し
(3)本人確認書類
(4)個人事業者等の場合
個人事業の開業・廃業届出書
・開業日が2020年1月1日から3月31日まで
・提出日が2020年5月1日以前
・税務署受付印が押印されていること
または
事業開始等申告書
・事業開始年月日が2020年1月1日から3月31日まで
・提出日が2020年5月1日以前
・受付印等が押印されていること
または
開業日、所在地、代表者、業種、書類提出日の記載がある書類
注)ただしこちらの書類を使用する場合は給付までに通常よりも時間を要する場合があるようです。
中小企業者等の場合
履歴事項全部証明書(設立日が2020年1月1日から3月31日のものに限る)
※持続化給付金に係る収入等申立書(中小法人向け)において2020新規創業対象月の月間事業収入が記載されるため、2020新規創業対象月の売上台帳は不要です。
色々な思いがありフリーランスでの仕事や開業をしたのに新型コロナウィルスのせいで何もできずに終わってしまう、それはあまりにもつらいのでは思います。対象範囲が広がった今、給付金の申請を行いもう少し頑張ってみてはいかがでしょうか?
うちもできるかもしれない、うちはどうなんだろうと気になる方はぜひWING税理事法人へご相談ください。
執筆者:清山 令子