Column

税理士によるコラム

新型コロナ対策:福祉医療機構の融資制度(医療・福祉事業運営の方)
2020.06.10 スタッフ

新型コロナでお困りの医療・福祉事業を運営されている方へ

今回は、新型コロナの影響を受けている医療・福祉事業を運営されている方向けのコラムです。
医療事業・福祉事業に特化した新型コロナウイルス感染症対策の融資制度についてご案内と最近の変更点についてご案内します。

独立行政法人 福祉医療機構の融資制度はご存知ですか?

医療法人や診療所経営の個人事業主の方は日本政策金融公庫や商工中金、各種銀行の融資制度よりも有利な条件でのお借入れの可能性があります。
まずは独立行政法人福祉医療機構融資制度をご検討されてはいかがでしょうか。

申込資料のフォーマットが入力用エクセル・手書き用PDFともに改良され、無担保・有担保での借入申し込み時の必要記載事項等がわかりやすくなっています。
これまで申込資料の送付先は、施設の所在地が西日本か東日本かにより分かれていましたが現在は統一されています。       

《目次》

1.融資制度の概要とは?

2.融資制度の対象となる方とは?

3.融資制度の申込方法とは?

4.融資制度の注意点とまとめ


1.融資制度の概要

(1)福祉貸付事業:福祉関係施設を運営されている法人

福祉関係施設を運営されている法人向けの融資制度です。
法人設立間もない方で一期目の決算が終了していない法人も対象となります。

福祉事業貸付

※無担保・無利子で経営資金の融資が行われています

(2)医療貸付事業:医療関係施設を運営されている法人・個人

下記の施設等を運営されている法人・個人向けの融資制度です。

①病院
②老健・介護施設
③診療所・助産所・医療従事者養成施設・指定訪問看護事業

借入額や初回かどうかで申請方法や必要書類が異なります。

※無担保・無利子で経営資金の融資上限額は①②③ごとで設定されています。

共通している条件は下記のとおりです。
・初年度~5年間:限度額までは無利子(限度額を超える部分は年利0.2%)
・6年目以降~ :年利0.2%
(※保証人不要制度の場合、0.15%の上乗せ)

医療事業貸付

※無担保・無利子で経営資金の融資が行われています

2.融資制度の対象となる方

(1)福祉貸付事業:福祉関係施設を運営されている法人・個人

新型コロナウイルス感染症の影響により

①施設機能の一部又は全部を停止している方
②一定程度サービス利用者及び収益が減少している方
③今後一定程度サービス利用者及び収益の減少が見込まれる方

※減少目安:『利用者数』か『売上』いずれかが前年同月比5%以上減少
(問い合わせ確認済)

(2)医療貸付事業:医療関係施設を運営されている法人・個人

新型コロナウイルス感染症の影響により

①施設機能の一部又は全部を停止している方
②一定程度サービス利用者及び収益が減少している方

※減少目安:『患者数(利用者数)』か『売上』が前年同月比5%以上減少
(問い合わせ確認済)

注意:診療所を持たず、他の診療所等へ勤務されている医師は対象となりません。
   個人事業主は、あくまで診療所等を経営されている方向けの融資制度です。

3.融資制度の申込方法

(1)借入申込

福祉医療機構よりエクセル又は、手書き用フォーマットに必要事項を記載します。
添付が必要な書類とともにエクセル最後のページに記載されている宛先へご郵送ください。

申込書類の必要書類には、登記簿謄本などがございます。
この時点で印鑑証明は不要ですが、本契約時に『法人印』・『保証人個人実印』の印鑑証明も必要です。
あらかじめ一緒にとっておくのも良いかもしれません。

保証人不要制度もありますが、保証人は1名です。
通常、法人の代表者です。(60代の方でも問題ありませんでした)
ケースにより後継者の方を保証人にとの提案もありました。
気になることがあれば、TELかお問い合わせフォームから相談してみてください。

※お問い合わせ先参考

◇西日本:
大阪支店 審査課 融資相談係(福祉・医療関係施設共通)
フリーダイヤル:0120-625-201
またはTEL :06-6252-0219

◇東日本:
①福祉医療貸付部 福祉審査課 融資相談係(福祉関係施設)
フリーダイヤル:0120-343-862
またはTEL :03-3438-0207

②福祉医療貸付部 医療審査課 融資相談係(医療関係施設)
フリーダイヤル:0120-343-863
またはTEL :03-3438-9934

①福祉事業貸付お問い合わせフォーム

②医療事業貸付お問い合わせフォーム

(2)借入申込書受理・審査

審査後に結果が届きます。
その後のお手続きの件で相談が必要な場合、届いた書面に記載されているある問合せ先へ連絡することになります。

当社のクライアント様の例では、書類が届くと連絡は数日後に届いていました。

(3)貸付契約

契約については、金銭消費貸借契約証書が機構から送られてきます。
一例として、10日までに書類返送すると振込目安は20日など10日前後のようです。

(4)資金交付

有担保の場合、抵当権設定が必要です。
設定については抵当権設定証書が機構から送付されます。

資金交付については『資金交付請求書・振込先預金口座等指定届』が必要です。

資金交付請求書・振込先預金口座等指定届


(5)医療貸付における新型コロナウイルス感染症対応のための長期運転資金のQ&A

その他にもQ&Aも出ていますのでご参照ください。

注意点:
2020年5月30日(金)までは診療所等の所在地が西日本の場合には、大阪支店へ郵送でした。
2020年6月現在は申込書類郵送先は、東京都港区の『新型コロナウイルス対策融資業務室 借入申込書 受付担当』宛に変更されています。

参考元:福祉医療機構(融資Q&A)

4.融資制度の注意点とまとめ

今回は、医療・福祉事業を行う法人や個人事業主の方向けの(独)福祉医療機構が行う新型コロナ対策の融資制度についてご紹介しました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている方で、融資制度の活用をご検討の方はぜひ一度検討してみてください。
まだまだ新型コロナの不安はありますが、いろいろな制度を活用しながらぜひ乗り越えていきましょう。

①福祉貸付事業での融資はこちら

医療貸付事業での融資はこちら

※2020年6月5日現在の情報をもとに作成
参照元:福祉医療機構HP

執筆者:仲野 美幸

執筆者

スタッフ