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妻へ居住用土地建物を贈与しても贈与税は課税されないという話ですが? -贈与税の配偶者控除の特例-
2020.02.14 相続住田吉盛

私も古希を迎え、ぼちぼち相続のことも考えないといけないと思いたちました。大した財産もないため相続税もそんなに課税されないと思いますが、せめて妻には老後の住む家だけでもきちんとの残してやりたいと思っています。・・・どうしたら?

 

結婚後20年を経過した夫婦間の居住用不動産の贈与については110万円の基礎控除に加え2000万円配偶者控除を受けることができます。これは居住用不動産の贈与を受けた配偶者は、その不動産の相続税評価額の2110万円までの部分は贈与税がかからないということです。

 

一般的には相続開始前3年以内に贈与された財産は相続財産に含めて計算されてしまいますが、この特例を受けた2000万円までの財産は加算されませんし、また民法では共同相続人の中に被相続人から特別受益(贈与)を受けた者がいる場合には、特別受益(贈与)を持ち戻して相続分を計算することとされていますが「平成30年の改正」により「贈与税の配偶者控除」により受贈した不動産にはこの「持ち戻し」の適用もなくなりました。

 

これらのことから、貴方の想いは相続税対策にも又争族対策にもなります。ぜひ実行されて下さい。

 

配偶者控除(2000万円控除)の適用要件

適 用 要 件 等

添 付 書 類 等

 

① 婚姻関係20年以上の配偶者からの贈与であること。

① 戸籍の謄本又は抄本及び戸籍の附票の写し(贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成されたもの)

 
 

② 国内にある居住用不動産の贈与又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること。

 

② 登記事項証明書その他の書類で当該贈与を受けた者が当該居住用不動産を取得したことを証明するもの

 
 

③ 贈与を受けた年の翌年315日までに居住(金銭の贈与の場合には、贈与を受けた都市の翌年315日までに取得し、取得後に居住)し、かつ、引き続き居住見込みであること。

 

 

 

 

 

 

 

居住用不動産の贈与の場合

 

④ 同一配偶者からの贈与について、過去にこの特例の適用を受けていないこと。

◇ 固定資産評価証明書等

 

 

 

 

 

⑤ 特例の適用を受ける旨及びその控除額の明細を記載した申告書の提出が必要

 

 

 

 

(注)「添付書類」欄の◇表示の書類は、法令により規定された添付書類ではありませんが、課税価格の計算に必要な場合がありますので添付してください。

 
 

 

 

税理士

住田吉盛